はじめに:「乗るたびにかかるお金」も忘れずに
ボートの維持費といえば、係留費やメンテナンス費が話題に上がりがち。
しかし、実際に船を動かしたときに発生する“燃料費”と“航行費用”も重要なポイントです。
「1回の出航って、いくらくらいかかるの?」
この疑問に、具体的な数値とともにお答えしていきます。
船の燃費は“車とまったく違う”
まず前提として、ボートの燃費は車よりずっと悪いという点を理解しておく必要があります。
| 乗り物 | 燃費の目安 | 
|---|---|
| 軽自動車 | 15〜25km/L | 
| 普通車 | 10〜15km/L | 
| プレジャーボート(20ftクラス) | 約2〜5km/L(※距離ではなく“リッターあたりの航行時間”で表すことも) | 
つまり、5km程度の航行でも10L前後の燃料を消費することがある、というわけです。
燃料の種類と価格
船の燃料は、主に「ガソリン」と「軽油」に分かれます。
| 燃料 | 使用エンジン | 特徴 | 
|---|---|---|
| ガソリン | 4ストローク船外機に多い | 価格は高いがエンジン音が静か、メンテもしやすい | 
| 軽油 | ディーゼル内蔵エンジンに多い | 燃費は良いが軽油引取税が発生、エンジン重量がある | 
2025年現在の価格目安(地域差あり):
- ガソリン:約160〜180円/L
- 軽油:約140〜160円/L(+軽油引取税 約32円/L)
出航1回の“モデルケース”で費用を計算してみよう
【例1】月に2回、港から片道5kmの釣り場へ出航(ガソリン艇)
- 航行距離:往復10km
- 船の燃費:3km/L
- 必要燃料:約3.3L
- ガソリン単価:170円/L
▶ 1回の出航:3.3L × 170円 ≒ 約560円
意外と安い?…と思いきや、ここにアイドリングや移動のための余裕分を加えると、実際は約1,000〜1,500円/回が目安です。
【例2】週1回、1日釣行で15km先の沖合まで(ディーゼル艇)
- 航行距離:往復30km
- 燃費:4km/L
- 必要燃料:7.5L
- 軽油単価:150円+引取税32円=約182円/L
▶ 1回の出航:7.5L × 182円 ≒ 約1,365円
これもアイドリング時間や流し釣りの走行を含めると、実質2,000〜3,000円/回と見ておくと安心です。
燃料費以外の“出航コスト”も知っておこう
| 項目 | 内容 | 費用目安 | 
|---|---|---|
| スロープ使用料 | 市営スロープなどを使う際の費用 | 500〜2,000円/回 | 
| マリーナ出港料 | 一部マリーナで徴収される出港手数料 | 0〜1,000円/回 | 
| 駐車場代 | マリーナやスロープの駐車場 | 0〜1,500円/日 | 
| 消耗品費 | オイル、冷却水、エンジン洗浄など | 年間費用に含めるケースも | 
▶ 出航のたびにかかる“燃料以外の費用”も、合計すると1,000〜2,000円/回が相場です。
「年間でいくら?」の目安も出しておこう
| 使用頻度 | 年間の出航回数 | 燃料費目安 | 合計コスト(出航分) | 
|---|---|---|---|
| 月2回(24回) | 約24回 | 約30,000円〜50,000円 | 約5〜7万円 | 
| 週1回(50回) | 約50回 | 約60,000円〜100,000円 | 約10〜13万円 | 
節約ポイントとヒント
- 中速巡航が最も燃費が良い:スロットル全開は燃費が悪化します
- 複数人で乗れば割り勘可能:燃料費を均等割でシェア
- 釣果が出れば“食費込み”!?:釣った魚を持ち帰ればコスパ◎
まとめ:「動かすお金」も見えると安心
船は買っただけでは終わりません。
“動かすたびにかかるコスト”も見える化しておくことで、予算と気持ちに余裕が持てます。
1回あたりの出費は大きくなくても、年間にすると意外とかかることもある。
だからこそ、あらかじめイメージを持っておくことが、ボートライフを楽しく長く続ける秘訣です。
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