FRP船体(繊維強化プラスチック)は軽くて強く、プレジャーボートでもっとも一般的な素材です。
しかし、経年劣化や衝撃によって生じる「ひび割れ」や「ゲルコートの剥がれ」は避けられません。
今回は、FRPの小さなダメージを自分で補修する方法を、わかりやすく解説します。
🧐そもそも「ゲルコート」とは?
FRP船体の表面を保護し、美しいツヤを与える塗膜のことです。
これが剥がれると、紫外線や水分が内部に侵入し、劣化や浸水の原因になります。
✅豆知識:「ヘアクラック(髪の毛のような細いひび)」はゲルコートのみの劣化であることが多く、FRP層まで達していない場合は自力での補修が可能です。
🔍チェックポイント:補修が必要なひび割れとは?
| 状態 | 処置方法 |
|---|---|
| ゲルコートのヘアクラック(細かい線状) | DIY補修可能 |
| ゲルコートの大きな欠け | パテ+ゲルコートで補修 |
| FRP層が割れている(深い傷や穴) | 業者対応が安心 |
🧰準備する道具・材料
- 紙やすり(#240、#400、#800)
- アセトン(脱脂用)
- マスキングテープ
- ポリエステルパテ(FRP用)
- ゲルコート補修材(チューブタイプ or ペースト)
- プラスチックヘラ
- 細筆 or スポンジ(塗布用)
- バフ or コンパウンド(磨き仕上げ用)
🛒※船具専門店やホームセンター、通販で入手可能です
🛠️STEP-BY-STEP|補修の流れ
STEP1:表面を研磨してダメージを確認
- クラック周辺を**#240程度の紙やすり**で削り、ひび割れの深さと範囲をチェック。
- FRP層まで達していないか確認。深い場合は無理せず専門業者へ。
STEP2:脱脂・清掃
- アセトンを使い、削った部分の油分や汚れをしっかり除去。
STEP3:パテ埋め(大きな欠けがある場合)
- ポリエステルパテを割れに沿って盛り付け。
- 30〜60分硬化させ、#400〜800番のやすりで整形。
STEP4:ゲルコート塗布
- チューブタイプのゲルコート補修材を薄く塗布(筆やスポンジ使用)。
- 日光またはUVランプで硬化(製品により異なる)。
💡塗り重ねる場合は完全硬化後に再塗布。2〜3回が目安。
STEP5:仕上げ研磨&艶出し
- 硬化後、#800の紙やすりで全体をなめらかに。
- 最後にコンパウンドで磨くとツヤが復活!
⚠️補修時の注意点
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 湿気の多い日・雨天は避ける | 硬化不良の原因になる |
| 必ずマスク・手袋を着用 | パテやアセトンの有害成分に注意 |
| 日焼け止めや油分の付着NG | 塗布不良の原因に |
🛡補修後は「保護と予防」がカギ!
- 紫外線カットのワックスやコーティングを施工すると劣化予防に効果的
- 定期的にひび割れがないかチェックしよう(とくにバウ・スターン周辺)
まとめ:FRPの補修は焦らず段階的に!
- 表面研磨→脱脂
- 必要に応じてパテ補修
- ゲルコート塗布
- 仕上げ磨き
小さな補修も放っておくと大きな損傷に。
メンテナンスの基本は「早期発見・早期補修」。
美しい船体を保つためにも、こまめなチェックとケアを心がけましょう。
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