ボートの心臓とも言えるエンジン。
快適な航行やトラブル予防のためにも、定期的な清掃と点検は欠かせません。
とはいえ、どこをどう洗えばいいのか、やってはいけないことは?
今回は**初心者でも安心してできる「エンジン周りの清掃」**をテーマに、丁寧に解説していきます。
🧼エンジン清掃の基本:まずは「真水洗い」
なぜ真水で洗うの?
海水には塩分やミネラルが多く含まれており、エンジンの金属パーツを腐食させる原因になります。
そのため、使用後は海水をしっかり洗い流すことが鉄則です。
手順(船外機の場合):
- エンジンを停止し、冷えた状態で作業を開始。
- 専用のフラッシングアダプターを取り付け、水道ホースで真水を通水。
- エンジン内部を5〜10分ほどフラッシング。
- 外装もスポンジと中性洗剤で優しく洗浄。
🚫高圧洗浄機はNG!電装系に水が入るとショートの危険あり。
🛠️細部のチェックポイント
✅1. プロペラ周り
- 海藻や釣り糸が巻きついていないか確認。
- プロペラを外して内部を清掃し、グリスアップ。
✅2. 排気ポート
- 白い結晶がついている場合は塩害の兆候。
- 真水で丁寧に洗い流し、歯ブラシなどでこすって落とす。
✅3. プラグ・イグニッション周り
- 水がかからないよう布やカバーで保護。
- 汚れがあれば乾いた布で拭き取る程度に。
✅4. スターターロープやオイルキャップまわり
- 劣化やオイルにじみがないか目視確認。
- 定期的に防錆潤滑剤をスプレーしておくと安心。
🚫やってはいけない清掃行為
| NG行為 | 理由 |
|---|---|
| 高圧洗浄機の使用 | 水圧で配線が抜けたり、エンジン内部に水が侵入する可能性あり |
| 酸性洗剤の使用 | 塗装や金属を傷める危険性 |
| バッテリー接続状態での清掃 | 感電・ショートのリスクあり |
⚠️作業前には必ずエンジンのバッテリーをオフにしておきましょう。
🧴使用すると便利なアイテムリスト
- 中性洗剤(カーシャンプーやマリン用洗剤)
- フラッシングアダプター(エンジン型式に対応するもの)
- 防錆潤滑スプレー(クレ5-56など)
- ワイヤーブラシ&歯ブラシ(細かい部分に最適)
- マイクロファイバークロス
- ニトリル手袋(安全&滑り止め)
🔄清掃は「月1回」+「使用後すぐ」が理想
- 海で使った日は毎回必ず洗浄&塩抜き
- 使用頻度が少ない場合でも月に一度は点検清掃
- 長期保管前(冬期)にはオイル交換+防錆処理をセットで行う
まとめ:清掃は「故障を防ぐ最大の予防整備」
エンジンのトラブルは高額な修理費や、航行不能などの大きなリスクに繋がります。
そのリスクをたった10〜15分の清掃習慣で大きく減らせるとしたら、やらない手はありません。
「ボートの寿命はエンジンの状態で決まる」――これは決して誇張ではありません。
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