── 憧れのマイボート、現実的に持てるのか?を数字で見てみよう ──
「船を持つなんて、お金持ちの趣味でしょ?」
そんなイメージ、今も根強く残っているかもしれません。
ですが実際には、選び方や工夫次第で“現実的に持てる”レベルの趣味として楽しまれている方もたくさんいます。
今回は、気になる「維持費」にフォーカス!
小型船舶を保有した場合にかかる費用の内訳と、出費を抑えるためのコツを、リアルな数字でご紹介します。
船を持ってみたいと思ったとき、多くの人が最初に不安を感じるのが維持費です。
「購入後、毎月いくら必要なのか」「係留費や燃料費以外にも費用がかかるのか」「中古船なら維持費を抑えられるのか」といった疑問は、船を所有した経験がなければ分かりにくいものです。
結論から言えば、船の維持費は船のサイズ、保管方法、航行回数、エンジン、整備状態によって大きく変わります。20ft前後の小型艇なら年間数十万円台から所有できるケースもありますが、海上係留や航行回数が多い場合は100万円を超えることもあります。
この記事では、中古船の購入や売買に携わるAWJ中古船売買センターの視点から、船の維持費を構成する費用、サイズ別の年間コスト、係留費、燃料費、税金、船検、保険、整備費まで分かりやすく整理します。
※掲載する金額は一般的な目安です。地域、マリーナ、船体状態、エンジン、利用頻度によって実際の費用は異なります。
船の年間維持費の目安
まずは、船のサイズと保管方法ごとのおおまかな年間維持費を確認しましょう。
- 20ft前後・陸置き:年間30万〜70万円程度
- 20ft前後・海上係留:年間50万〜100万円程度
- 25ft前後・陸置き:年間50万〜100万円程度
- 25ft前後・海上係留:年間70万〜150万円程度
- 30ft前後・海上係留:年間100万〜250万円程度
この金額には、係留・保管費、燃料費、保険、船検、税金、定期整備、消耗品交換などを含めています。ただし、ローン返済、突発的な故障修理、大規模なエンジン整備、装備の追加費用は含めていません。
船の維持費を構成する7つの費用
船の維持費は、大きく7つに分けられます。
- 1. 係留費・保管費
- 2. 燃料費
- 3. 船舶保険
- 4. 税金
- 5. 船検費用
- 6. 定期整備・メンテナンス費
- 7. 消耗品・装備更新費
このうち、毎年ほぼ一定額が発生するのが係留費、保険、税金です。一方、燃料費や整備費は使用頻度や船体状態によって変動します。
固定費と変動費を分けて考えることが、無理のない所有計画を立てるポイントです。
数字で見る、夢の現実化
マイボートを持つことは、確かに“贅沢”かもしれません。
でもその贅沢は、しっかり計画し、情報を集め、賢く選べば手に届く範囲にあるということがわかっていただけたのではないでしょうか?
マイボートの夢は、工夫と準備で必ず叶います!
この記事が、夢への第一歩となればうれしいです。

20ft・25ft・30ftで年間維持費はどう変わる?
20ftクラス
20ft前後の小型艇は、初めて船を持つ人にとって現実的な選択肢です。船外機艇が多く、燃料消費や整備費を比較的抑えやすい傾向があります。
陸置きやトレーラー保管ができる環境なら、年間維持費を30万〜70万円程度に抑えられるケースもあります。海上係留の場合は、係留費が加わるため年間50万〜100万円程度を見込んでおくと安心です。
25ftクラス
25ft前後になると、釣り、クルージング、家族での利用など用途が広がります。その一方で、船体重量、エンジン出力、係留スペースも大きくなるため、維持費も上がります。
年間の目安は50万〜150万円程度です。大阪湾で月2〜4回程度の釣行を行う場合、燃料費も年間でまとまった金額になります。
30ftクラス
30ft前後のクルーザーやフィッシングボートでは、海上係留が中心となり、エンジンや装備も大型化します。
年間維持費は100万〜250万円程度を想定します。ディーゼルエンジンや船内機の場合、定期整備の費用も小型船外機艇より高くなる傾向があります。
係留費・マリーナ費用は維持費の中で最も差が出る
船の維持費で最も大きな差が出やすいのが保管場所です。
海上係留
海上係留は、乗りたいときにすぐ出航できる点が魅力です。一方で、地域やマリーナによって年間費用に大きな差があります。
都市部や設備の整ったマリーナでは年間数十万円から100万円を超える場合もあります。電気、水道、上下架、駐車場、施設利用料などが別料金になっていないかも確認が必要です。
陸置き保管
陸置きは、船底への海洋生物の付着や腐食を抑えやすく、船体管理がしやすい方法です。
ただし、出航のたびに上下架費用が必要な施設もあります。年間保管料だけでなく、上下架料金や作業可能時間も確認しましょう。
漁港・共同係留
地域によっては漁港や共同係留施設を利用できる場合があります。費用を抑えられる可能性がありますが、利用資格、地域ルール、順番待ち、管理責任などの確認が必要です。
トレーラー保管
小型艇では、自宅や保管場所に置き、出航時にトレーラーで運ぶ方法もあります。
保管費を抑えられる一方、牽引免許、車両、ランチング場所、洗浄や整備の手間が必要です。
燃料費はどれくらい?大阪湾での1日コストを試算
燃料費は、エンジンの種類、馬力、船体重量、速度、海況によって大きく変わります。
たとえば船外機艇で大阪湾を1日釣行する場合、燃料費はおおよそ5,000円〜20,000円程度になることがあります。
小型船外機艇:1回5,000円〜10,000円程度
25ft前後のフィッシングボート:1回10,000円〜20,000円程度
30ft前後の艇:1回15,000円〜30,000円以上になる場合もある
月4回出航する場合、1回1万円なら年間48万円です。月2回なら年間24万円になります。
燃料費は、年間維持費の中でも利用頻度によって最も変化しやすい費用です。購入前に「月何回乗る予定か」を決めて計算しておきましょう。
税金・船検・保険など必ず発生する法定・固定費
税金
船には、自動車税のような全国一律の高額な毎年課税があるわけではありませんが、取得や登録、所有形態に応じて税金や各種費用が発生します。
購入時には消費税や印紙、名義変更に伴う費用なども確認が必要です。
船検
一定の条件に該当する小型船舶は、定期的に船舶検査を受ける必要があります。
船検費用そのものに加え、法定備品の不足、信号紅炎や救命設備の期限切れなどがあると、交換費用が発生します。
船舶保険
船舶保険は、対人・対物賠償、船体損害、捜索救助費用などに備えるものです。
保険料は、船価、艇種、航行区域、補償内容によって異なります。安さだけで選ばず、自分の利用方法に合う補償を確認することが大切です。
整備・メンテナンス費用は年式と状態で変わる
中古船の維持費で差が出やすいのが整備費です。
毎年または定期的に行う主な作業には、次のようなものがあります。
- エンジンオイル・ギアオイル交換
- インペラ交換
- 燃料フィルター交換
- バッテリー点検・交換
- 船底塗装
- 亜鉛交換
- 電装品の点検
- ステアリング・操舵系の点検
通常の定期整備だけなら年間数万円から十数万円程度で済む場合もありますが、エンジンの大規模修理や載せ替えが必要になると、数十万円から数百万円になることもあります。
中古船を購入するときは、販売価格だけではなく、エンジンの使用時間、整備履歴、交換済み部品、船底や配線の状態まで確認することが重要です。
中古船なら維持費を抑えられる?5つの節約方法
1. 自分の用途に合うサイズを選ぶ
大きな船ほど快適ですが、係留費、燃料費、整備費も上がります。年に数回の近海釣行が中心なら、必要以上に大型の艇を選ばないことが重要です。
2. 保管方法を比較する
海上係留だけでなく、陸置き、トレーラー保管、地域の係留施設などを比較しましょう。
3. 整備履歴の良い中古船を選ぶ
購入価格が安くても、整備不足の船は購入後に大きな費用がかかります。多少価格が高くても、整備履歴が明確な船の方が総額を抑えられることがあります。
4. 自分でできる日常点検を増やす
洗浄、バッテリー管理、簡単な防錆、ロープや備品の点検など、自分でできる管理を習慣にすると故障予防につながります。
5. 中古用品や後付け装備を活用する
魚探、GPS、ロッドホルダーなどは、中古品や既存装備を活用することで費用を抑えられます。ただし、安全に関わる装備は価格だけで判断しないようにしましょう。
購入前に作る年間維持費シミュレーション
中古船を購入する前に、次の項目を埋めて年間予算を計算しましょう。
- 艇のサイズ
- 保管方法
- 年間係留・保管費
- 月の出航回数
- 1回の燃料費
- 年間保険料
- 船検・法定備品の年換算額
- 定期整備費
- 突発修理の予備費
- ローン返済額
特に重要なのが、突発修理の予備費です。毎年必ず使うとは限りませんが、年間10万〜30万円程度を予備費として考えておくと、急な修理にも対応しやすくなります。
維持費で失敗しにくい中古船の選び方
維持費を抑えやすい中古船を選ぶときは、次の5点を確認します。
- 1. 必要以上に大きくないか
- 2. エンジンの状態と整備履歴は良好か
- 3. 係留場所を確保できるか
- 4. 消耗品や部品を入手しやすいか
- 5. 購入後すぐに高額修理が必要ではないか
人気艇は中古部品や整備情報が見つけやすく、売却時にも買い手が付きやすい傾向があります。
船そのものの価格だけでなく、「購入後に無理なく維持し続けられるか」という視点で選ぶことが大切です。
大阪湾で20〜26ftの中古船を持つ場合のモデルケース
統合元記事の実例をもとに、大阪湾周辺で20〜26ftクラスの中古船を所有する場合の固定費を整理すると、次のようなイメージになります。
係留費:年間40万〜80万円程度
メンテナンス費:年間10万〜20万円程度
船舶保険:年間3万〜10万円程度
船検・法定備品:年換算1万〜3万円程度
固定費の合計は、年間およそ55万〜110万円が一つの目安です。ここに燃料費を加えると、出航頻度別の年間総額は次のようになります。
■ 実際のコスト感をご案内

以下は、関西エリアのマリーナに20フィートクラスのプレジャーボートを所有している場合の、年間コストの実例はこのような感じでした。
| 項目 | 年間費用目安(円) | 補足説明 |
|---|---|---|
| 係留費(海上) | 180,000〜360,000 | 地域・施設により大きく変動 |
| 船舶検査・登録費 | 10,000〜20,000 | 定期検査(3年ごと)の年割換算 |
| 船舶保険(任意) | 30,000〜50,000 | 損害保険+搭乗者保険 |
| メンテナンス費 | 50,000〜100,000 | エンジン点検、消耗品、クリーニング等 |
| 燃料費(年間50時間想定) | 50,000〜100,000 | 船外機40〜80馬力の場合 |
| その他 | 10,000〜30,000 | ロープ、小物類、備品の入れ替え |
| 合計 | 330,000〜660,000円 | おおよその年間トータル維持費 |
🚤 月額に換算すると約3万〜5万5千円程度といったところです。
「ちょっと高い?」と感じた方もいるかもしれませんが、自動車の維持費(駐車場+保険+車検+ガソリン)と近いレベルと捉えることもできます。
20〜26ftの中古船を持つ場合のコスト感まとめ
ライト利用:年間70万〜90万円程度
標準利用:年間100万〜150万円程度
高頻度利用:年間150万〜200万円程度
係留費用に地域差あり
係留費は地域差が大きく、大阪湾周辺でも安価なエリアでは月2万〜4万円程度、中間的な施設では月4万〜7万円程度、設備の整った人気マリーナでは月7万〜10万円以上になる場合があります。
維持費を比較するときは、保管料だけで判断せず、上下架料、駐車場、電気・水道、施設利用料、船底清掃などが料金に含まれているかも確認してください。
小さな出費も見落としやすいので事前に把握しておこう
大きな費用だけでなく、次のような小さな支出も年間ではまとまった金額になります。
・係留ロープやフェンダーの交換
・救命胴衣や信号紅炎など法定備品の更新
・洗浄用品、防錆剤、ワックス
・バッテリー充電や交換
・航海灯、ポンプ、配線など電装品の修理
・魚探、GPS、無線機など装備の更新
・マリーナまでの交通費や駐車料金
年間予算を作るときは、こうした雑費として5万〜15万円程度の予備枠を設けておくと、実際の支出との差が小さくなります。
船の維持費に関するよくある質問
Q. 船の維持費は月いくらですか?
A. 小型艇では月3万〜8万円程度、中型艇では月6万〜15万円程度がひとつの目安です。ただし、係留場所や航行回数によって大きく変わります。
Q. 20ftの船の維持費はいくらですか?
A. 陸置きやトレーラー保管なら年間30万〜70万円程度、海上係留なら年間50万〜100万円程度を想定します。
Q. 船にはどんな税金がかかりますか?
A. 購入時の消費税や印紙などがあり、登録や所有形態に応じた費用も発生します。自動車税と同じ仕組みではありません。
Q. 係留費はいくらかかりますか?
A. 地域と施設によって大きく異なります。年間数万円の地域施設から、100万円を超える都市型マリーナまであります。
Q. 船を使わない月にも費用はかかりますか?
A. 係留費、保険、税金、定期整備などは、使用しない月でも発生します。
Q. 船は経費にできますか?
A. 事業で必要な船であれば経費計上できる可能性がありますが、利用実態や事業関連性が必要です。税理士へ確認してください。
Q. ローンを含めると月いくらですか?
A. 船価、頭金、金利、返済期間によって異なります。維持費とローン返済を分けて試算することが重要です。
Q. 中古船は新艇より維持費が安いですか?
A. 購入価格は抑えやすい一方、整備状態によって修理費が増える場合があります。整備履歴の良い中古船を選べば、総所有コストを抑えやすくなります。
維持費まで含めて、無理なく持てる中古船を一緒に探します
船選びで大切なのは、購入価格だけではありません。
係留場所、燃料費、保険、整備費まで含めて、自分の予算と使い方に合う船を選ぶことが重要です。
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